言葉の育ちの基礎にも関係する感覚特性や運動特性。言葉の遅れが気になったら、感覚面統合面・運動面の発達を正しく評価してもらいましょう

子どもは運動面・言語面・認知面などがそれぞれ関係しあいながら、発達します。

そのため、言葉が出ないから言葉の練習、運動が上手くできないから運動トレーニングなどと捉えがちですが、それではバランスの良い発達を促すことはできません。

つまり、一部分だけを見た発達支援を行なっていても、効果的ではない、ということが言えます。

 

実際の発達支援の場で経験するのは、運動面での発達が促されると同時に、言葉が出てくるようになった、器用さが上達した、など体・言葉・認知がそれぞれ影響し、発達することを実感します。

ゆずが「ことばとからだの発達相談室」という名前なのは、トータルで子どもの発達を捉える必要があるからなのです。

 

言葉は、氷山に例えられることがあります。

海面に顔を出している氷山(言葉が出ている状態)はあくまでも一部(氷山の一角)です。

大切なのは、水面下にどれだけ大きな氷山(言葉の基礎)ができているかです。

これが、正しく育っていないと言葉は育ってきません。

 

言葉が出ない場合、特にきちんと評価しておくべきことは、お子様の感覚統合面です。

感覚統合とは
視覚・聴覚・触覚・前庭覚(揺れや回転を感じる感覚)・固有覚(ボティイメージなど自分の体の位置関係が分かる感覚)などの感覚を脳の中で、正しく統合(それぞれの感覚を整理)できるようにしていくことです。

特に言葉の発達と感覚統合には深い関係があります。

そのため、感覚統合面が上手く図れていないのに、言葉のレッスンだけを行なっても、効果は低いでしょう。

「十分な効果は引き出せない」と言うのが正しい言い方かも知れませんね。

 

例えば公的療育機関では、「言葉がまだ出ない」場合に、すぐに言語聴覚療法の処方が出ることは少なく、(特に年齢が小さい場合)まずは感覚統合療法(作業療法)を受ける流れになることが多いです。

その理由は、上記で述べたように、「言葉が出ていない子どもには、まず感覚特性を評価し、感覚面へのアプローチ(関わりやレッスン)を行なうことが、言葉を引き出すことにつながる」からに他なりません。

このように、言葉が出ない場合、まずは感覚面での課題がないか、感覚統合が上手くいっていないのではないか、という視点に立ってお子様を評価する必要があります。

 

加えて、運動発達面についても正しく評価をしておく必要があります。

なぜなら、「歩きはじめがかなり遅かった」「何もないところでスグに転ぶ」「体の使い方が上手くない」「ジャンプが上手くできない」など、運動発達面で遅れや特性があるお子さんは、言葉の遅れがあったりコミュニケーションの難しさがあったりすることもよくあるからです。

つまり、運動発達面を評価することで、感覚面や認知面、言語面の特性が分かることがあります。

また、体を使った活動を積極的に取り入れる、運動発達を正しく導くことは、言葉を育てていくことにもつながります

例えば鬼ごっこをして、楽しく走り回っているうちに、「ワー」「キャー」などの声が出やすくなり、それが発声や発語につながることが多いものです。

 

もし、お子様の言葉の遅れが気になっているなら、言葉の育ちの基礎になる感覚統合面や運動面での評価を正しく受けてみましょう。

言葉が遅れる理由が見えてくることがありますよ。

 

感覚統合面の評価は作業療法士に、運動面での評価は理学療法士に相談してみてくださいね(運動面の評価は作業療法士も同様に行えます)。