ゆずスタッフ募集【言語聴覚士】常勤・非常勤

発達障害のある子どもの、「二次障害」を予防しよう!

不登校に関するご相談をいただくこともあります

先日、ゆず非常勤講師の井関先生(発達相談員/武庫川女子大学生サポート室)が中学生のお子さんを持つ親御さんからの子育て相談をお受けしました。

井関先生のアドバイスの中で、印象的だったのは、「◯◯ができていないから、だめ」と悪い点数をつけるのではなく、「できていることやがんばっていることを具体的に褒める」ということ、また彼らのプライドをきちんと尊重することが大事だということでした。

このように、最近、よくお問い合わせをいただくのが、小学校高学年以降のお子さんをお持ちの保護者の方からの、「不登校」に関するご相談です。

小学校の高学年ぐらいになると、勉強の難しさが上がってくるだけでなく、友だちとの関係性などに変化が起こる時期になります。

中高生になると、さらに関係性が難しくなり、自分の中に閉じこもってしまいがちになります。

実は、こういったお子さんによく見られるのが、「二次障害」による生活上の問題です。

発達において気を付けなければならない二次障害

二次障害とは、「本来抱えているもの(例えば脳性麻痺や自閉症)が原因ではなく、二次的に起こってきた問題」を指します。

肢体不自由のお子さんの場合(一例)

一次障害
麻痺によって、自分で体を上手く動かすことができない。
二次障害
動かさないことで、関節が固くなってしまい、関節の曲げ伸ばしの動きがなくなってしまった(関節が固まってしまった)。

発達障害のあるお子さんの場合(一例)

一次障害
目の使い方が上手くないため、とても不器用。
二次障害
「不器用なのは、上手くやろうという気持ちがないからだ」「とにかく、頑張れ!」と言われ続け、すっかり自信がなくなってしまい、自分の殻に引きこもってしまった。

このように、一次障害が直接的に関係していないにも関わらず、適切な対応(関わり方や予防)をしてこなかったために起こるものを二次障害と呼びます。

二次障害は、成長後、さらに大きな問題になっていきます。

成人後の生活に影響を及ぼすのは、一次障害よりもむしろ二次障害です。

特に自分に自信がないという「自己肯定感の低さ」は、不登校につながりやすいため気を付けましょう。

二次障害をどれだけ予防できるかが、療育の最大のポイント!

肢体不自由のお子さんの場合、「関節の動きが悪くなってきた」「歩けていたのに、歩きにくそうになっている」など、二次障害が起こってくるにつれ、問題点も見えてきます。

つまり「二次障害の予防が生活においてとても大切」と気づかれやすい状況にあります。

ところが、心の中の問題(自信喪失や諦めなど)は外からは見えにくいため、発達障害のお子さんの場合、問題が大きくなってきていても、周りから気付かれにくいのが現状です。

問題が表面化してしまってからでは、その時には修正が難しくなっており、二次障害に悩みながら生活を行なっていくことになりかねません。

その観点から考えると、療育とは「二次障害をいかに予防するか」ということが最大の目標であるといえます。

そのため、「今の問題点」ばかりに目を向けるだけでなく、「将来起こりうる二次障害を予測し、今からできる対処方法を考えていくこと」が何より大切になります。

しかし、二次障害の予防の観点から「いまするべきこと」を考え、実行している療育現場は少ないのが現状です。

※どうすれば二次障害を予防できるのか、については、ゆずマガで詳しくお話します。

すでに二次障害が起こっている子どもはどうするの?

すでに二次障害が起こっている場合、「自分自身で自分の殻を破るための環境作り」が重要になります。

お子さん自身が「自分ならできそうなこと」を自分自身で見つけ出し、自分自身で動こうとするような環境を設定してあげることです。

そのためには、「いいところを見つけ、具体的に褒める」「ダメなことをしている時は、はっきりダメと伝える」「プライドを尊重する」などの対応が大切になります。

特に自閉症スペクトラムのお子様は、プライドがとても高いお子様が多いです。

そのため、見下したような言い方や、精神論で対処しようとすることなどは、逆効果になることが多いですので注意が必要です。

また、「居場所」を作ってあげることも、自分自身と向き合うことにつながり、それが自分で自分の殻を破ろうとすることにつながることも期待できます。

もちろん、その居場所は、「何か活動を強制される居場所」であってはいけません。

それでは居場所にいる意味がありません。

「何もしなくてもいいし、何かしようと思った時、それができる居場所」が必要とされています。

まとめ

  • 肢体不自由のお子さん、発達障害のお子さんともに、二次障害を予防することは、とても大切です。
  • 特に発達障害のお子さんの場合、引きこもりなどの生活上の問題につながりやすいことが多くあります。
  • 二次障害を予防するためには、「将来起こりうる二次障害を予測し、今できることを考える」という視点を持つことが大切です。
  • すでに自分の殻に閉じこもるなどの二次障害が出ている場合、お子さんが自分自身と向き合う空間(場所)が必要です。

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