言語聴覚士と話そう!「言葉を引き出すコツ講座」&茶話会(2018.7.3)

自閉症児の、運動会の練習時期に見られるイライラはなぜ?その理由と気持ちを落ち着かせる環境調整方法5つ

保育園や小学校では、運動会の練習が始まっているころではないでしょうか。

ちょうどこの時期、自閉症スペクトラム児のママさんから「子どもが最近、イライラしている」「かんしゃくが増えた」などの声をお聞きします。

その理由はいくつか考えられます。

以下に、運動会の練習が、イライラやかんしゃくにつながる理由と、それぞれの対処方法についてご紹介します。

1.いつものカリキュラムと違う

運動会の練習をしている時期は、通常のカリキュラムを変更することが多いため、自閉症スペクトラムをはじめ、発達障害のあるお子さんにとって、対応しづらい状況にあります。

■対処方法

カリキュラムが違うということを事前に、絵カードや写真を使って伝えておくようにします。ママさんからも予めお家で伝えておくことも効果的です。

2.練習のはじめ頃は、何をすればいいか分かっていないため

練習のはじめ頃は、やっていることを途中で変更することがあったり、演目の完成形が見えないため、自分のすることのイメージが湧きにくいです。

■対処方法
まずは、無理に参加させず、練習を見させるだけでもOKです。

特に自閉症スペクトラムのお子さんの場合、参加をしていなくても、みんなの様子を見ながら覚えていることが多いものです(お子さんによってはすぐにできる子もいます)。

3.同じことを何回もさせられる=「させられ感」がある

させられ感は、誰にとっても苦手な感覚です。

さらに、「いつ終わるかが分からない」ことが余計に不安を増大させます。

■対処方法
できることだけ参加し、しんどくなった時に休むスペースや時間を確保しておくのがよいでしょう。

4.待ち時間が長い

自閉症スペクトラムやADHD(注意欠陥多動性障害)のお子さんは「何もせず、じっとしておくことが苦手な傾向にある」ので、自分の演目以外の時に待つことが多くなってしまう運動会の練習は、そもそも苦手です。

■対処方法
ひたすら待つ、ということが苦手なので、待っている間、気持ちをそらすことができる好きなアイテム(モノ・本など)を用意しておく。それに加え、「いつまで待つか」ということを予め伝えておくとよいですよ。

5.音が苦手

運動会では、合図のピストル音や声援、音楽など、普段に比べ大きな音を耳にすることになります。

聴覚過敏のあるお子さんの場合、それらの環境音がストレスになります。

■対処方法
先生の協力が得られれば、ピストル音を電子音の笛に変えてもらうのも手です。

耳を塞ぐイヤーマフラーや耳栓を使用して、音を軽減するのも効果的でしょう(子どもが嫌がらなければ)。


このように、運動会時期のイライラには、理由が隠れていることが多くあります。

その理由を見つけることが、かんしゃくを解決する糸口につながります。

 

ところで、これらのご紹介したことは、あくまでも概論的なことで、具体的な困りごとや解決方法については、個人差があります。

お子様にとって、どのような環境設定がいいのか、ということについては、個別にご相談下さいね。